ドル/円と米国経常赤字
米国の経常赤字というのは、アメリカの貿易による赤字のことですが、この米国の経常赤字は、国の信用力を落とす財政赤字とともにドル安要因となります。
ちなみに、この2つの赤字のことを双子の赤字と呼びます。
経常赤字であるということは、アメリカが外国にモノを売ってドルを受け取るよりも、外国からモノを買ってドルを支払っている方が多いということです。
その結果、ドルを受け取った国では、ドルを売って自国通貨を買うという動きが起こるので、ドル売り、つまりドル安の要因となるのです。
米国の経常赤字は、日本円に対して完全に連動しているわけではありませんが、全通貨に対してみると、経常赤字が増えればドル安になるというのは相関関係が高いようです。
ドル/円と地政学的リスク
以前ですと「有事のドル買い」と言われ、米ソ冷戦時代など、とくに戦争など有事の際にはドルが買われました。
しかしながら、最近では、テロやイラク情勢などアメリカ自身に関する有事が多いため、基軸通貨としてのドルの信用力の低下から、「有事のドル売り」という現象も起こっています。
ドル/円と原油価格
原油価格が高騰するとドル安が進むことが多いです。
以前ですと、原油価格の高騰は円安になることが多かったのですが、最近の市場は、原油価格の高騰が、アメリカ経済に対して悪影響を与える方が大きいと判断しているようです。 |