ユーロに不安材料はありますか?
前述したようなユーロの特色をみますと、ユーロにはよいことばかりのように思えますが、実際にユーロが米ドルに取って代わることができるのかという話しになりますと、かなり懐疑的にならざるを得ません。
これは、ユーロ圏が複数の国で成り立っているからにほかなりません。
つまり、各国それぞれに異なる経済事情がありながら、ユーロという1つの通貨で統制されているからです。
具体的にはどういうことですか?
例えば、金利政策についても、通常でしたら、景気が悪くなれば金利を引き下げて対応するはずですが、ユーロ圏にインフレ懸念が強まっている国があれば、むやみに金利を引き下げることは困難になります。
反対に、インフレ懸念が強まっている国があったとしても、それ以外の国の景気を冷やす恐れがある場合には、金利の引上げにもかなり慎重にならざるを得ないということになります。
よって、EU各国の調整が課題になるのです。 |