円安のもとで日本の株価が上昇するとは?
例えば、円が強くなりすぎますと、輸出産業のウェートが高い日本企業にとっては、収益を圧迫する要因となり、むしろ株価を下げてしまう原因にもなります。
また、2007年までは、円安が日本をはじめ海外の株価を上昇させる要因となっている側面がありました。
これは、円キャリートレードがその要因であるといわれています。
低金利の円で資金を調達して、米ドルで運用すれば高い利回りを得られますが、その際には「円を売り・ドルを買う」という動きが強まりますので円が強くなるというのが、円キャリートレードになります。
このように円で調達した資金を、世界中で運用することによって、海外の投資家が大きな利益を生み出し、その資金の一部が日本株にも投資されて、日本の株価を引き上げる効果をもたらしたのです。
つまり、このときには、円安のもとで日本の株価が上昇するという、教科書とは反対の関係になったのです。
特にここ数年は、日本の株式市場では海外の投資家の影響度がますます強くなっていますので、株高が円安に、あるいは株安が円高へと結びつきやすい状況が続いています。
株価と為替、金利と為替の関係は固定的ではない
外国為替を含めた世界の金融市場の環境というのは、どんどん変化しています。
よって、株価と為替、金利と為替などの関係についても、決して固定したものではなく、その時々の状況によって変化していくものであると考えておいたほうがよいと思われます。
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