「噂で買って、ニュースで売る」とは?
2003年のイラク戦争開戦直後、「金」は急騰どころか急落しました。
これは、中東情勢に詳しいプロのディーラーたちが、その半年前から開戦必至と読んで、着々と「金」を買い増して、開戦とともに一斉に利益確定の売りに転じたからです。
その一方で、「有事の金」ということで、いま「金」は買いだと動いた個人投資家は高値掴みをする結果となったのです。
これは、有事になってから「金」を買っても遅いということです。
「噂で買って、ニュースで売る」という相場の鉄則があるように、「イラク戦争があるかもしれない」という噂の段階が買い場面です。
それが事実となり、ニュースで万人が知るところとなってしまえば、買いの材料としての新鮮味は全くなくなってしまうからです。
一般的に言えることですが、メディアが金急騰と騒ぎ始める頃というのは、プロは既に「一相場終わり」と見ているのです。
つまり、「金」は平時にコツコツ貯めて、有事に売るというのが基本です。
なお、金価格は2009年に入ってから、2月には1トロイオンス(約31.1g)当たり1,000ドル、6月には同990ドルと2度にわたり急騰しましたが、この時にも価格は1000ドル近くの高値圏に達するたびに反落しました。
やはり、メディアで騒がれている時には静観しているのがよく、反対に価格が反落して「金の輝きは失せた」といわれるような時が、実際には本当の買い時であるといえそうです。 |