外貨投資入門



有事の金と地政学的リスク

米国同時多発テロと「有事の金」

2010年9月11日、米国同時多発テロが起こりましたが、実はあの崩壊した世界貿易センタービルの地下6階には取引所の金庫があり、8トン近くの金塊が保管されていたそうです。

その事実はセキュリティの問題から報道されなかったようですが、金塊の形状こそへこんでいたものの、8トンの重量はそのまま回収されたそうです。

「911」直後のマーケットの反応は、株式や債券市場が機能不全に陥り、ドルも原油も急落する中、唯一、金価格だけが急騰というものでした。

「金」の価値は安定している?

一時期は「有事の金」から「有事のドル」へ、「有事の金」は時代遅れなどとも言われていましたが、このときこそまさに「有事の金」を実感できた人も多かったのではないでしょうか。

このように、「金」の価値というのは、人間の心の中で変遷していきます。

ドルであれ「金」であれ、その価値は結局は人間の思い込みによるものなのかもしれませんが、それでもペーパーのドルに比べれば、「金」の価値は遥かに安定しているのではないかと思われます。

地政学的リスクとはどのようなものですか?

地政学的リスクというのは、中東地域に代表されるように、特定の地域における政治的、軍事的な緊張の高まりが、世界経済全体の先行きを不透明にすることをいいます。

この地政学的リスクが高まると、地域紛争やテロへの懸念などにより、原油価格や為替相場が乱高下することも少なくありません。

そのような場合には、そうした状況を嫌い、マネーが金融資産から「金」に流れる傾向にあります。


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基軸通貨と米ドルの価値の低下
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