米国経済が復権すると金価格は下落するの?
米国経済がインフレにもデフレにも陥らずに、「ゴールディロックス※」といわれる状況を実現すると、インフレヘッジのためであるとか、紙くずにならないためであるとかいう切迫感からくる金(ゴールド)の保有動機は弱まります。
つまり、「有事の金」ではなく「有事のドル」が復活するかもしれないということであり、これは、外為市場ではドル買い、金売りが起こると考えられます。
※熱すぎず、冷たすぎない適温経済のことです。
金利が上昇すると金価格は下落するの?
米FRBがインフレを未然に防ぐために、早め早めの利上げを実行するようなケースでは、金利のつかない「金」は売られると考えられます。
特に政策金利と呼ばれるFFレート(短期金利)が引き上げられると、「金」にはかなりの下げ材料となります。実際、2009年6月に一時利上げ説が流れた際には、金価格は急落しています。
金リサイクルが増えると金価格は下落するの?
「金」は腐食しませんので、有史以来採掘された「金」は、必ず地球上のどこかに何らかの形で残されています。
なので、金価格が上昇すると、必然的にリサイクルの形で市場に還流してくる傾向が強まると考えられます。
特に、金価格が歴史的高水準となってくると、インドや中東など民間の金ストックが大きい地域では、まとまった金製品の売り戻しが頻繁に見られるようになります。
ちなみに、インドには巨大な民間の金ストックがあるので、今後のリサイクルを期待して新たな金取引所が開設されるようです。
よって、「金」が高値圏にあるうちは、こうしたリサイクルをして売る動きが強まりますので、金価格上昇にブレーキがかかるものと思われます。 |