金(ゴールド)の二面性とは?
「金」は「商品」と「マネー」という二面性を持っています。
まず、「金」は原油やプラチナ、穀物などと同じように「商品」として扱われています。具体的には、宝飾品やハイテク部品用、入れ歯用など素材としての側面です。
その中でも特に、「金」と原油は「コモディティ(商品)の代表格」といわれています。
しかしながら、この「金」と原油には決定的な違いがあります。それが「金」の持つ「マネー」としての側面になります。
例えば、2008年7月に原油先物価格は、1バレル=147ドルという史上最高値を記録しましたが、金融危機に端を発する世界同時不況によって需要減が連想されたことから、大きく売り込まれ、2009年2月には40ドル割れとピーク時の3分の1以下にまで値を下げました。
一方、「金」のほうは、リスクヘッジのための資産として注目され、同じく2月には1オンス=1,000ドルに達するという対照的な値動きを見せました。
このように、金融危機の場面では、売られる原油に対して買われる「金」ということが明確になったわけですが、その大きな理由としては、原油は純粋な「商品」の顔だけであるのに対して、「金」は「マネー(資産)」として買われる側面があるからにほかなりません。
「金」は外貨準備としても利用されている?
各国では外貨準備として「金」を保有していますが、原油を保有している国はありません。
日本の外国為替管理法においても、「金」は「支払い手段」として明記されていますが、原油は「支払い手段」とはなりません。
なので、「金」も「原油」もドル安、ドル高に反応はするものの、その度合いは「金」のほうが遥かに大きくなるのです。 |