円高になると国内金価格は安くなるの?
一般的に国内金価格は、円高になると安くなり、円安になると高くなる傾向にあります。
1990年代には、長期的円高が円建て金価格を押し下げ続けました。
実際、ニューヨーク金価格が上昇しても、それよりも円高の速度が速かったことから、国内金価格は反対に下落するというような局面も見られたのです。
しかしながら、近年は、ドル円の変動よりも金価格の変動のほうが遥かに影響力が強いので、国際金価格も国内金価格も、長期的にはほぼ平行して動くようになっています。
こうした背景には、ドルと円にユーロが加わったことによる三つ巴の戦いになったことがあります。
とはいえ、三極通貨それぞれが大きな構造的な問題を抱えていますので、最終的には、弱さ比べの三つ巴となっており、現在は、比較的マシな通貨が相対評価で買われているといった状況にあります。
なので、例えば、円だけがドルやユーロよりも突出して高くなるというようなことはあまり考えられない状況といえます。
よって、1990年代のような、長期的な円の独歩高が国内金価格の長期低迷を招くといった事態が再来する可能性は少ないと思われます。 |